2024/12/06 10:45


僕が座る公園のベンチの後ろには、3本の桜の木がある。


紅葉が素晴らしい。

僕は、紅葉した葉の中では「桜の葉」は最も好きなものの一つに入る。

葉の形と、赤や黄色に色付くグラデーションの感じがお気に入りだ。


けど、12月に入り、それももう終わりに近づいている。

落ち葉もたくさん見られるようになった。

木に残っている葉っぱは、3割程度といったところか。



冬の到来。


僕の中で、12月~2月は冬。



今日は、不思議な出来事が起きた。


不思議な光景の中にいた、と言った方がいいかもしれない。


特に強い風が吹いたわけでもない。


「ザァー! バサッ、バサッ、バサッ・・・」


3本の桜の木が、示し合わせたかのように一斉にその葉を落とす。


目を瞑っていた僕の頭、肩、背中、腕、腿、足元、全てに大量の葉が一気に降り注いだ。


急な出来事に、さすがに僕もびっくりして立ち上がった。


公園には僕しかいない。



“こんなことあるんだ・・・”



振り返ると、


3本の桜の木は、ほぼ素っ裸になっていた。


自然の樹々は、雨・風・気温などの外部の影響を受け、次第に、

と言うか、されるがままに冬支度に入っていくと思っていた。


だが、知らなかっただけなのかもしれない。
見せてもらう機会が無かっただけなのかもしれない。


自然の成り行き任せではなく、自らが今この時、葉を落として切り替わろうとする意志。


そう、それを感じた。


「自然」の意志。