一昨日の晩、０時を回る頃、

僕は所用で最寄り駅まで車で向かった。

都会とはいえ日曜の夜、時間も時間だし人影はなく、車も少ない。

不意に目の前に飛び出すコロッとした影。

咄嗟にブレーキを踏む。

幸いにもゆっくり運転していたため、惨事を免れた。

「狸（たぬき）だ。」

一瞬ネコだと思われた影は、僕の車のライトにしっかりと照らされてその姿を露わにした。

ネコよりもだいぶ大きくズングリとして、大きな縞模様のしっぽ。

思った以上に動きが遅くて、ちょっと笑える。

可愛い。

のそのそと道路脇の柵の下を潜り抜け、闇に消えていく。

実は、２ヶ月程前にも夜の散歩で狸を目撃している。

同じ子かな？と思いつつ、

都会でたくましく生きる姿がなんとも感慨深いものがある。

元気でいて欲しい。