2025/09/04 11:30

夏の終わりを告げるかのような涼しい朝
過ごしやすいけど、少し物寂しさを感じる
秋の予感
高校を囲むフェンスの間に小鳥が止まっている
頭の産毛が逆立ち、まだ赤ちゃんに近い小さな鳥
近づいても逃げない
手を近づけると口を大きく開けてご飯を欲しそうにする
少し様子がおかしい気がした
僕の上では親鳥らしき鳥がギャーギャーと鳴いている
挟まってしまって動けないのかと思い
近くに落ちていた葉っぱで小鳥の足をつついてみる
すると、微妙な感じで飛び立ち
滑空をするような形で道の反対側の歩道に降り立つ
そこから動かない
親鳥は小鳥の上空に移動する
どうやら弱っているのか怪我をしているのか
上手く飛ぶ事が出来ないらしい
その場所は危ないので
コレまた近くにあった大きな石に乗せて小鳥を運ぼうとするが上手く乗ってくれない
手で包み上げてあげるくらいは出来る小鳥の遅い動きだけれども
人間の匂いがついてしまったらそれこそ
元の暮らしに戻れない
軍手でも買いに行ってエサを用意してあげようにも
あいにく僕にも今日は時間が足りない
やむなくその場を後にする
僕がいなくなると親鳥は鳴くのをやめた
どうにもしてあげられなかった
果たしてどうしてあげるべきだったのか
どうしてあげたかったのか
どうもすべきではないのか
「無力」を感じた朝の一幕
