2025/11/14 11:30

朝露で濡れたベンチ
雲ひとつない青空には
もうすぐ消えてなくなりそうな
うっすらとした逆三日月
いつもより暖かく
イキイキとした陽射しの朝
公園の土の上には
無数のスパイクの痕が
僕は昔サッカーをやっていたから
身近に痕を見ると
少し懐かしさを覚える
何かを思い出すとき
その「記憶」に五感がフルに反応する
「記憶」には「体感」が伴う
グラウンドの土、汗の匂い
筋肉の疲れや息切れ
ボールを蹴る感触や身体がぶつかり合う痛み
コーチから飛ぶ指示の声や歓声
水分補給のスポーツドリンクの味
それは想像とは違う
確かに「体感」したもの
感覚が甦る
そんなことを思いながら
とても美しい紅葉を目にする
これも記憶に残るんだろう
“綺麗だなぁ”
そんな風に思える今の心持ちこそが
幸せのひとつ
