2026/03/09 17:24




街中を歩いていて

とあるフェンスの上に

“鉄条網”があるのを見かけた


子供の頃のことを思い出す


道路から一段落下がったような位置にある

小さな空き地で、鬼ごっこをしていた


鬼に追いかけられた僕は

空き地の外へ逃れようと

道路へ続く階段を駆け上る


階段の終わりには正面を塞ぐように

少したるんだ鉄のチェーンが掛かっていた


まだ小さかった僕は

そのチェーンを潜るようにして

空き地の外に逃げようとしたしたとき

背中に激痛が走った

肉を切り裂く痛み


そのチェーンに鉄条網が絡み付いていることに

僕は気付かなかった

洋服は破れ、背中からは血が流れる

あの時の痛みは今でもなんとなく思えている


鉄条網が錆びていたこともあり

傷口は少し化膿し

当時は火傷のような傷跡が出来た


でも、あの「」はいつの間にか消えている


ハワイでサーフィンをしたとき

珊瑚で指を切ったことがある


珊瑚に毒があるからだろうか

10年以上経った今でも

その「」は残っている


子供の時の「」と

大人になってからの「」の

再生能力の違いもあるだろう


消える「」と

残ってしまう「


心でも身体でも

残ってしまう「」には


解消されない何か

今を生きるための何かヒントが

隠れているのかもしれない